セントラル・イーストサイドのダイニング
斬新なストリート・フードや新しい食を作りだすレストランが集まります。
かつては倉庫や製造業が中心だったこのネイバーフッドは、近年、ポートランドのアートやデザインシーンの震源地に様変わりしました。スタジオやギャラリースペースが生まれるかたわら、活気に満ちたフードシーンが料理芸術の境界を押し広げています。
朝早くから出かけるなら、デリシャスドーナッツDelicious Donutsから。ひっそりとたたずむ店構えながら、閉店前に売り切れになることもある、知る人ぞ知る人気店です。この地区を代表するコーヒー店はウォーターアベニューコーヒーWater Avenue Coffee 。シングルオリジンやブレンドの上質コーヒーが味わえます。 お茶愛好家におすすめなのが、スティーブンスミス・ティー Steven Smith Teamaker。築百年の元鉄工所を改装した製造所兼テイスティングリームでは、さまざまなブレンドをテイスティングすることができます。
この界隈でおそらく一番知られているのが ル・ピジョン Le Pigeonでしょう。パリ風マッシュルーム・カルパッチョ、スパゲティと豚耳が添えられたホタテの燻製など、フレンチベースにローカルのアレンジを加えた料理が特徴。客は大きなテーブルに隣り合わせに座り、ジェイムズ・ベアード受賞シェフ、ガブリエル・ラッカーが作り出す絶えず替わるメニューを堪能します。
この界隈の先駆者的レストランの一つ、クラークルイス clarklewisは、光の入る明るい元倉庫の立地を最大限に活用しています。地元産チャードやクリームド・コーン、オイスターマッシュルームを添えたオークグリルのリブアイ・ステーキなど、薪で焼くご馳走を供しています。
プロデュースロウ・カフェ Produce Row Cafeは大きなパティオがあるガストロパブ。ライブ音楽やJD、週末のブランチも提供します。1987年から続くお店でクラフトビールが充実。ウィスキーとおいしい食事とのペアリングを楽しめます。
カチカ Kachkaは、ビーフ・タン、ボルシチ・ブリンツなど伝統的なロシア料理のお店。ホースラディッシュやカモミールなどで香り付けした独自のウォッカと相性ばつぐん。
イタリアンなら薄焼きピザが有名なノストナーラNostnaraへ。シンプルながら深い味わいの一皿を。
フライドチキンやオイスターに作りたての麺、そして豚骨スープ。創造的なラーメンを作り出すボケ・ボウル Boke Bowlは熱烈な支持者を得ています。韓国風揚げ豆腐や揚げナスなどベジタリアンにも対応しており、ミソ・バタースコッチのトゥインキー(スポンジケーキ)など、人気デザートの一品もあります。
オリンピア・プロビジョンズ Olympia Provisionsの壁には大きく「MEAT」とネオンサインが掲げられていますが、ここでおいしいのはお肉だけではありません。パンチェッタやチョリソー、厚切りのBLTサンドイッチをおつまみにカクテルもいいですが、自家製マリネード・オリーブや野菜のピクルス、フライドアーモンドなども、とてもよく合います。厚切りのチーズボードは絶対にお薦め、外せません。
夜のセントラル・イーストサイドでは楽しみがたくさん。ホワイトオウル・ソーシャルクラブ White Owl Social Clubにはヒップスターが集まります。広いパティオ席には卓上キャンプファイヤーが設置され、スモアをローストして楽しむことができます。一方、カスケード・ブリューイング・バレルハウス Cascade Brewing Barrel House サワービールに特化した店。ベリーやアプリコット、地元のコーヒーを使ったビールがそろいます。
同様に忘れてはいけないのが、セントラル・イーストサイドのフードカート。ここには街で最も人気の高いカートのいくつかがあります。カートピア Cartopiaは長く営業しているフードカート・ポッドで、夜遅くまでオープン。ポテト・チャンピオン Potato Championのプティン(フライドポテトにグレービーとカードチーズをかけたもの)や、パイロ・ピザ Pyro Pizzaの窯焼きピザには、深夜までスナック好きの人達が集まります。また、ホーソン通りを挟んだところにあるサンドイッチ・ショップ、ラルド Lardoはカートからレストランに成長した成功例。ここではポークをたっぷり挟んだサンドイッチとローカルのクラフトビールが楽しめます。